いびき・睡眠時無呼吸症候群
- 「最近、どうも目覚めが悪い…」
- 「しっかり睡眠をとっているのに、昼間も眠気に襲われる…」
- 「周りの人から、いびきをかいていると指摘されたことがある。」
- 「自分のいびきで目が覚めてしまったことがある。」
- 高血圧リスク(いびきをかかない人のおよそ2.4倍)
- 脂質異常症(高脂血症)リスク(いびきをかかない人のおよそ3.2倍)
- うつ病(いびきをかかない人のおよそ2.4倍)
最近は、「いびき」によるご相談を患者さまからお受けすることが多くなりました。
歯ぎしりと同じように、自分ではなかなか気が付きにくい「いびき」ですが、いつも一緒に寝ている人にとってはとても深刻な問題…。
さらに、最近ではいびきの背景にある大きな病気にも目を向けられるようになったため、「ただの迷惑な悪癖」から「命に係わる深刻な病気」と意識が変化してきたのではないかと思います。
いびきをかいているという事は、眠りが浅く熟睡できていない証拠でもあります。
こんな症状にお心当たりがある方は、是非一度、ご相談にいらしてください。
いびきの原因とメカニズム
いびきは、「上気道」と呼ばれる空気の通り道が何らかの理由で狭くなってしまうことで、空気抵抗が大きくなり、呼吸をしたときに粘膜が振動することで起こります。
上気道が狭くなってしまう原因は人によってさまざまですが、実は、いびきをかく人のほどんどが口呼吸をしていると言われるほど、いびきと口呼吸は密接なつながりを持っています。
口呼吸がいびきにつながる理由
口で呼吸をしていると鼻呼吸に比べ「軟口蓋(なんこうがい)」と呼ばれる、口の中の奥の天井(上あご)の柔らかい部分が落ち込みやすくまります。
軟口蓋が落ち込んでしまうと、その分気道を狭くしてしまいますので、いびきが発生しやすくなります。
また、軟口蓋だけではなく、舌が落ちてしまうことで気道をふさいでしまう場合も多くあります。
普段から口呼吸をしている人は、舌の筋肉が衰えている傾向がありますので睡眠中に舌を支えていられなくなり、寝ると重力の影響で舌が落ちてしまうのです。
若いころよりも、年を取ってくるといびきをかきやすくなるのも、このためです。
このような場合は、口のまわりの筋肉を鍛えることで舌が落ちてくることを防ぎ、いびきをかかないようにすることが可能です。
実は怖い、いびきの弊害
そんな経験をお持ちの方も少なくはないと思います。
中には、普段はいびきをかかないのに、疲れたときやアルコールを飲んだ時にだけいびきをかく、という人もいるかと思いますが、これは「散発性のいびき」と言って、健康上は特に問題ありません。
それに対し、寝ている時はいつもいびきをかく、という人は注意が必要です。
特に、睡眠中に呼吸が一定の時間止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」は命にもかかわる病気ですので、なるべく早急な対策が必要になります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている時に、10秒以上にわたって呼吸が止まってしまうことが繰り返される病気です。
医学的には、10秒以上の呼吸停止が、一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、または、1時間あたり5回以上繰り返される場合には睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
近年では、この睡眠時無呼吸症候群を起因とする事件や事故がニュースでも大きく取り上げられたため、いびきに対する意識も変わってきた方が多いのではないでしょうか?
他人を巻き込んでしまう交通事故はもちろん、車を運転しない人にとっても、下記のような健康リスクがあると言われております。
【睡眠時無呼吸症候群による健康上のリスク】
当院でのいびき治療
マウスピース(スリープスプリント)療法
睡眠時無呼吸症候群の治療で使うマウスピース(スリープスプリント)は、寝ているときに使う特殊なマウスピースで、装着することで、寝ている間に下顎が上顎よりも4~7ミリ前に出すように固定させ、気道を広く保つことができます。
のどの空気の通りが良くなっていびきが緩和されるため、睡眠時無呼吸症候群の予防にも役立ちます。
マウスピース(スリープスプリント)の作成は保険が適用されますが、医科からの依頼書が必要になります。(軽度の睡眠時無呼吸症候群であるために歯科でマウスピースを作製するという依頼書)